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インプラントメーカーの比較

海外のインプラントメーカー

ブローネマルク・システム

原産国:スウェーデン
会社名:ノーベルバイオケア社
表面性状:タイユナイト
連結様式:エクスターナル・ヘックス・コネクション(外側6角)
ユーザーレベル:上級
ブローネマルク・システム
スウェーデンのブローネマルク教授によって発見された、オッセオインテグレーション(骨結合)を元に開発された、世界初の実用インプラントです。
現在のインプラントの基盤となっていて、世界的に最も知名度の高いインプラントです。単独埴立から頬骨インプラントまで、あらゆる症例に対応できる、最も汎用性に富み、最も高価なインプラントといえます。
全顎補綴傾斜埋入といった、高度で特殊な治療の際に非常に扱いやすく、インプラント初級者には敷居が高く、インプラント上級者を満足させるインプラント・システムになっています。
したがって、このシステムが医院に導入されているかが、レベルの高い治療を行っているかの判断基準のひとつになります。

リプレイス・セレクト

原産国:スウェーデン
会社名:ノーベルバイオケア社
表面性状:タイユナイト
連結様式:内側3角(トライチャンネル・コネクション)
ユーザーレベル:中級〜上級者
リプレイス・セレクト
ブローネマルク・システムで有名なノーベルバイオケア社が、ステリオスという会社を吸収合併して作ったインプラントが、リプレイス・セレクトです。全顎補綴傾斜埋入といった高度で特殊な治療を除き、インプラントの上部構造は、スクリュー固定ではなくセメント固定が主流になってきました。
ブローネマルク・システムは、プラットフォームエクスターナル・ヘックス・コネクション(外側6角)のため、スクリュー固定には使いやすいのですが、セメント固定の際には接続に少し手間がかかります。また、手術の際に、ブローネマルク・システムは、手術器材の種類が多く複雑で、初心者には扱いにくいと言えます。形状もストレートなので、隣の歯が天然歯の場合などは、埋入しにくいと言えます。
リプレイス・セレクトは、ブローネマルク・システムの欠点を補っています。プラットフォームが内側3角のため、補綴の際にアバットメント接続が容易です。手術器具も簡便化されていて扱いやすく、中級者から上級者まで満足させるように作られています。形状もテーパー型とストレート型の両方が準備されています。
インプラントの表面性状ブローネマルク・システムと同じく、タイユナイトというノーベルバイオケア社独自のものです。ソフトティッシュ・インテグレーションも可能で、35Ncm以上の埋入トルク値を得れば、即時機能が可能な優れた表面性状です。
マルチユニット・アバットメントによる補綴を行えば、リプレイス・セレクトとブローネマルク・システムの器材が全て共用できるように作られています。ドライバー、トルクレンチなどは共用できるように両システムで無駄がないように作られています。
これらの長所のため、現在ではブローネマルク・システムよりもリプレイス・セレクトの方が販売本数が多くなっているようです。

ノーベルダイレクト

原産国:スウェーデン
会社名:ノーベルバイオケア社
表面性状:タイユナイト
連結様式:1ピース
ユーザーレベル:中級〜上級者
ノーベルダイレクト
ノーベルバイオケア社ミック・ドラグー博士が開発した、即時機能1ピース・インプラントです。
1ピース・インプラントのため、フィクスチャーアバットメントの接続部分が無く、マイクロ・ギャップがありません。さらに、アバットメントまでタイユナイト処理してあることにより、歯肉にインプラントがソフトティッシュ・インテグレーションするため、術後の骨吸収をほとんど認めない、優れたインプラントです。
埋入器具はリプレイス・セレクトと共用されています。このため、即時機能不可能と判断した場合には、埋入するフィクスチャーリプレイス・セレクトに切り替えることもできます。
歯を1〜2本失った場合で、骨の状態が良い症例に最適です。フラップレス手術で手術侵襲を最小限とし、即時に仮歯まで仕上げられるように作られています。
直径の極めて小さいスーパーナロー・インプラントのノーベルダイレクト3.0もあります。直径3.0mmのインプラントを用いることにより、上顎の側切歯や下顎前歯部の埋入も可能となりました。
多少の骨裂開の場合でもソフトティッシュ・インテグレーション可能なタイユナイト表面により骨造成不要です。

アストラ・インプラント

原産国:スウェーデン
会社名:アストラテック社
表面性状:タイオブラスト
連結様式:テーパーフリクション
ユーザーレベル:中級〜上級者
インプラント上部にマイクロスレッドを付与しているため、プラットフォーム部の骨吸収が少なく、前歯部に優位なインプラントです。
世界的に有名なメーカーですが、九州・山口地区ではシェアが少ないと思われます。

I.T.Iインプラント

原産国:スイス
会社名:ストローマン社
表面性状:SLA
連結様式:テーパーフリクション
ユーザーレベル:初級〜中級者
1972年にスイスのベルン大学と、ストローマン研究所との協力で開発されたインプラントです。ブローネマルク・システムに比べ、術式が簡便であり(1回法のインプラント手術、フリクションによるアバットメント接続)、世界初の粗造表面を持ち、成功率の高いインプラントであっため、ブローネマルク・システム機械研磨表面のままであった1990年代に急速に普及しました。
現在は、ブローネマルク・システムを含め、ほぼ全てのインプラント表面が粗造表面になったため、I.T.Iインプラントの優位性は減少しています。
また、今日のインプラント治療では、歯冠部の審美性が求められております。プラットフォームの直径は標準径のみで、プラットフォーム自体がクラウンマージンになってしまうため、審美部位の埋入に不利なこと、フリクション接続のため将来の設計変更に対応しづらいこと、といった10年前の長所が現在では短所になってしまったため、最近はシェアが減少してきているようです。

SPIインプラント

原産国:スイス
会社名:トーメン社
表面性状:サンドブラスト加工+酸エッチング処理(特に名称なし)
連結様式:内側6角
ユーザーレベル:初級〜中級者
SPIインプラントは、スイス、トーメン社が製造し、平成16年よりアスパックコーポレーションが輸入発売を始めた新しいインプラント・システムです。
I.T.Iインプラントインターナル・コネクション仕様といった感じのシステムです。
後発のインプラント・システムですが、インプラントとアバットメントの接合部分の精度以外は特に目新しいものはありません。
I.T.Iインプラントの汎用性の無さや、審美性の低さに問題を感じているユーザーには最適かも知れません。
最大の歯科業者のモリタが販売しているので、初級者のユーザーには情報が届きやすいようですが、初級者にはI.T.Iインプラントの方が簡単かもしれません。

3i(スリーアイ)インプラント

原産国:アメリカ
会社名:インプラントイノベーション社
表面性状:オッセオタイト
連結様式:エクスターナル・ヘックス・コネクション(外側6角)、内側クイックシート・コネクション
ユーザーレベル:中級〜上級者
ブローネマルク・システムを模倣したインプラントです。
ブローネマルク・システム機械研磨表面のままであった1990年代に、成功率の高い粗造表面オッセオタイト)と、ブローネマルク・システムの汎用性を合わせ持ったため、アメリカで急速に普及しました。
現在は、ブローネマルク・システムを含め、ほぼ全てのインプラントが粗造表面になったため、3iインプラントの優位性は減少しています。また、プラットフォーム付近には機械研磨表面がいまだに残っているハイブリッドの表面性状のため、他社の表面性状と比較すると見劣りするようにも思えます。
ところで、全顎補綴傾斜埋入といった、高度で特殊な治療を除き、インプラントの上部構造スクリュー固定ではなく、セメント固定が主流になってきました。
3iインプラントは、ブローネマルク・システムと同様のエクスターナル・ヘックス・コネクション(外側6角)であるため、スクリュー固定には向いているのですが、セメント固定には手間がかかります。
今日のインプラント治療のコンセプトに、エクスターナル・ヘックス・コネクション(外側6角)のプラットフォームしか持たない点が合わなくなってきたため、2007年春、新型内側接続のオッセオタイトCertainを発売しました。新型のCertainは、アバットメント接続が指に確実に伝わるようになっており、補綴作業の能率が上がると思われます。
アメリカでの実績が高いのですが、販売経路の関係から日本全体でのシェアは大きくありません。しかし、北九州・山口西部では比較的多く使われているインプラントです。

カルシテック

原産国:アメリカ
会社名:ZimmerCALCITEK社
表面性状:HA
連結様式:スプライン
ユーザーレベル:中級者
インプラントの表面性状には、多く分けてチタン粗造面とHAコーティングの2種類があります。
上顎の骨など骨密度の良くない部位には、HAインプラントがよく用いられます。
HAとは「ハイドロキシアパタイト」の略で、骨の無機質の大部分を占めるものです。インプラントの表面をHAでコーティングすることによって、インプラントと骨の結合(HAインプラントの場合はバイオ・インテグレーションとよばれます)を促進させます。
「キング・オブ・HAインプラント」と呼ばれるカルシテックのインプラントは、インテグレーションしやすく性能が良いようです。しかし、HA自体の長期的な信頼性には多少の疑問があると考えます。

ザイブ

原産国:ドイツ
会社名:フリアデント社
表面性状:セルプラス
連結様式:内側6角
ユーザーレベル:中級〜上級者
ザイブ・インプラントは、2004年ドイツのフリアデント社から発売となった、新しいインプラントです。
世界初のテーパード・インプラントである、フリアリット2インプラントのテーパーを少なくして、シリンダータイプのインプラントに近づけた形状をしています(フリアリット2はテーパーがきつすぎたため、リプレイス・セレクトやオッセオタイトNTと比較すると、ドリルが流されやすかった)。
また、結合部はフリアリット2インプラントと全く同じ内側6角となっており、補綴処置(人工の歯を作ること)の際に互換性があるように設計されています。
インプラント体の表面性状は新しく開発された「セルプラス」となっており、オッセオインテグレーションをより早く、そしてより強固に促進させます。
プラットフォーム・スイッチングにも対応しており、唯一スーパーナローの直径3.0mmの2ピース・インプラントも用意されています。
インターナル・コネクションのみを使用すると考えれば、非常に性能の良いインプラントと思われます。

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日本のインプラントメーカー

POI(ピー・オー・アイ)インプラント

原産国:日本
会社名:日本メディカルマテリアル(JMM)
表面性状:陽極酸化処理HA
連結様式:内側6角
ユーザーレベル:初級〜中級者
POIインプラントは、日本のインプラント・システムの中では最も歴史があります。JMMは日本最大のインプラントメーカーといえます。
POIシステムは1990年から発売されました。1ピースから3ピースのインプラントまで持つ独自性と、陽極酸化処理HAの2種類の表面性状を1社でもつ、オールラウンド・システムが特徴で、2000年には国内最大のシェアとなりました。
しかし、今日のインプラント治療は審美性を求められるようになってきましたので、I.T.Iインプラント同様にプラットフォームが直径4.2mmの1種類しか持たない点で不利で、最近ではシェアを落としていたようです。
このため、2006年秋に、プラットフォームに多種を持つPOI-EXを発売しました。POI-EXノーベルバイオケア社リプレイス・セレクトに良く似ており、プラットフォーム直径に多種を持ち、テーパー型・ストレート型の2種類のフィクスチャー形状と、2種類の表面性状陽極酸化処理HA)を有する内側接続のインプラント・システムです。
しかし、プラットフォーム直径が多くなったため、材料代が以前のPOIインプラントより高額になる点、ドリルの数が同様の他社システムよりも多く手術が煩雑になる点、旧POIインプラントと互換性がない点(同じプラットフォーム直径4.2mmでも、POIシステムPOI-EXに互換性がない)、同様のシステムは海外メーカーからすでに発売されている点から、旧POIインプラントのユーザーは困惑しているようです。
POIインプラントの販売拠点は福岡県にあります。歯科医師のインプラント教育に力を入れているので、九州・山口で初めてインプラント治療を始める歯科医師には向いていると思われます。九州・山口では現在でもシェア最大級と思われます。

AQBインプラント

原産国:日本
会社名:アドバンス社
表面性状:HA
連結様式:1ピース、内側SOL
ユーザーレベル:初級者
AQBインプラントは、アドバンス社が製造している国産のインプラントです。
純度の高いHA表面が特徴で、成功率が高く、術式も簡便、治療期間も短く、材料代も安価なインプラントです。術者と患者さんにとって負担が少ないことが特徴のインプラント・システムです。このためシェアが拡大しています。
しかし、HA表面自体の長期的な信頼性の問題、1ピース・インプラントが主体で難易度の高い症例には向かないことから、インプラント治療の上級者を満足させるシステムではないと思われます。

GCインプラント

原産国:日本
会社名:GC社
表面性状:サンドブラスト加工+酸エッチング処理(特に名称なし)
連結様式:エクスターナルヘックスコネクション(外側6角)、内側3角
ユーザーレベル:中級者
エクスターナル・ヘックス・コネクション(外側6角)のセティオ・インプラントは、ブローネマルク・システムを模倣した3iインプラントを模倣したインプラントと思われます。
今日のインプラント治療のコンセプトに、エクスターナル・ヘックス・コネクション(外側6角)のプラットフォームしか持たない点が合わなくなってきたため、2007年春に内側3角プラットフォームの新型インプラント、ジェネティオが発売されました。
内側のジェネシオ・インプラントは、リプレイス・セレクトのように内側3角ですが、埋入用のインプラント・ドライバーを差し込む部位とアバットメントを差し込む部位が異なる場所になっており、フィクスチャー埋入時の万が一の変型にも影響が少なく設計されています。
ノーベルバイオケア社リプレイス・セレクトの最大の弱点は、プラットフォーム・スイッチングできないことですが(2007年5月ワールドカンファレンスでプラットフォーム・スイッチング・アダプターが発表されました)、プラットフォーム・スイッチングも可能な設計になっています(ユニバーサルジョイントシステム)。
また、ノーベルバイオケア社の国内では発売されていないノーベル・スピーディ・インプラントのように、同じドリルで内側/外側のフィクスチャーの両方を埋入できるように設計されています。これらの特徴から今後国産のインプラントは、GC社のインターナル・インプラントがシェアを拡大していくのではないかと思われます。

プラトン・インプラント

原産国:日本
会社名:プラトン社
表面性状:SAG,、薄膜HA
連結様式:テーパーフリクション
ユーザーレベル:初級者
I.T.Iインプラントを模倣した国産インプラントです。フィクスチャーI.T.Iインプラントを模倣、埋入用のインプラント・マウントはPOIインプラントを模倣しており、システム器具はI.T.IインプラントとPOIインプラントの両方に互換性がある安価なインプラント・システムです。
埋入後に吸収される安全性の高いHAインプラントもラインナップに加えましたが、手本となったI.T.Iインプラント、POIインプラント両方のシステムが最近のインプラントのコンセプトに合わなくなってきているため、プラトン・インプラントもシェアが伸び悩む傾向にあるようです。

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その他

上記以外にも日本で販売されているインプラントはたくさんありますが、無名メーカーのインプラント、または信頼性に欠けるものもありますので、患者さんは手術前に体内に埋め込まれるインプラントの種類を、手術同意書から確認して下さい。手術同意書にインプラントの製品名が書いてないようではだめです。
とくに、現在ではほぼ消滅してしまったサファイア・インプラントや、骨膜下インプラントシェルシェブ・インプラントを使用したインプラント治療は受けない方が賢明です。

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